2018/05/08

サイト集客に有名人を使うメリットとデメリット

オウンドメディアを立ち上げてはみたけれど、思ったほどにPV数が伸びない。SEOを意識しつつも、とりあえず目標値までPV数を上げないと予算がおりない。運用担当者様と話をしていると、このようなご相談をいただくことがあります。

確かにSEOの施策もある程度サイトパワーがないと効果が発揮されませんし、社内的にもPV数が取れないならお金もかけにくくなるでしょう。

最近はオウンドメディアの運用や認知についても正しい知識が広まりつつありますが、一部の方はいまだに「オウンドメディアは手っ取り早く低予算で効果が得られるんでしょう?」と話します。
確かにCMを大々的に打つよりかは低予算でメディア運用は可能ですが、効き方は大きく異なります。

通常の広告とオウンドメディアの違いとは

CMは認知力を一気に引き上げるカンフル剤的な効果がありますが、一方のオウンドメディアは、ジワジワとその分野に関心のある人に広まっていくイメージです。
人のカラダに例えると、病気が起きた際、一発で効く抗生物質(CMやキャンペーン)を用いるか、体質改善も兼ねて漢方薬(オウンドメディア)をのみ続け、じんわり効果を出すかといった違いかもしれません。

とはいえ長期的な視点を持ってオウンドメディアを運用していたとしても、予算を投入するならなるべく早くに効果が欲しい。それは誰もが思うことです。
そこでよく取られるのが「有名人を使ってPV数を稼ぐ」という施策です。
有名ブロガーや、アルファツイッタラーと呼ばれる、SNS上で影響力のある方にコンテンツに出演してもらい、拡散をしてもらいPV数を稼ぐという方法です。

有名人を用いる際の3つの注意点

過去に弊社も有名人の出演記事を手がけたことがあります。効果が出たものでなかったもの様々ですが、場合によって効果は限定的かつ、事前に把握すべき点も多いのではと思います。予算も手間もかかる有名人のへの依頼コンテンツは、以下の点に最低限気をつけながら、制作をおこなう必要があります。

特定の記事が一時的に跳ねるだけという現実を知る

有名ブロガーさんがコンテンツに出演し拡散をおこなうと、彼らのファンがSNS上で反応し、該当のコンテンツは通常のものよりも間違いなく読まれます。
反響が大きなものは、通常時の数10倍反響が出ることもザラです。
しかし訪れた人の多くは、あくまでもブロガーさんのファンなので、目的のコンテンツ以外には目もくれずにサイトから離脱してしまいます。
結果として社内的にPV数アップが報告できたとしても、1記事が一時的に跳ねただけという、長期的な視点で見ると効果が感じられない結果になることもよくあります。

ここまでは企画者側もある程度予想しているものですが、この「有名人カンフル剤施策」の効果を感じると、PV数ダウンを恐れて常に有名ブロガーに頼るコンテンツづくりをおこなってしまうメディア様も時々見かけます。

依頼する有名人がサイトの読者とマッチしていたり、長期的な戦略に沿っていればそれでも良いのですが、有名人の効果というのは企画の面白さもさることながら、長期間おこなうと効果が薄れていきます。 そのため、安易に数字が欲しいから依頼するという発想は避けるべきですし、依頼したとしてもどういう目的でお願いをするのかをしっかり熟考する必要があるのです。

サイトのカラーが合わないと効果は思ったほど出ない

有名人に依頼をすれば、拡散力によってコンテンツは沢山の人に読まれるはず。企画・運用者の多くがそう考えるはずです。確かにある程度の効果は見込めるのですが、実際のサイト読者やカラーと、依頼する有名人のキャラやファン層がかぶっていないと、思ったほどの効果が出ないのが現状です。
過去見かけた残念な例でいうと、20〜30代のママ向け女性サイトに、20代の有名女性ブロガー(既婚だが子どもはいない)を起用して、インタビューを掲載しているサイトがありました。
確かに年齢層はあっているのですが、女性は独身か既婚か、子持ちか子どもはいないかで価値観や興味関心のあるコンテンツは大きく異なります。該当のインタビューも、単体で見ればある程度面白いものではあったものの、ファンとサイト読者のミスマッチからなのか、反響がそこまで伸びていなかったのが印象的です。

事前に拡散についての確約を忘れずに

意外な落とし穴としては、有名ブロガーさんに出演依頼をする場合、できるだけ拡散についての取り決めを具体的に行うことをオススメします。
有名ブロガーさんはコンテンツが公開となれば当然告知をしてくれるものですが、運用者側としては1回のつぶやきやブログ投稿でお終いとなると、やや物足りなさを感じる方も多いと思います。

そこで事前の打ち合わせの際、つぶやきはどのタイミングで何回おこなうか、ブログでの告知はどこまでおこなってもらうかをしっかり打ち合わせしておくと、事後トラブルにも起こりにくくなります。
ブロガーさんのフォロワーやファンは、企業におけるいわば顧客であり資産です。ネット上の有名人出演というのは、ある意味彼らが持つ資産に頼ってコンテンツを成立させていることになるため、善意やその場の空気で拡散の確約をしないままコンテンツ制作をおこなうと、後のトラブルのリスクを高めることになるのです。

有名人は一時的な起爆剤!ゴールを見据えて効果的に

ネット上の有名人をコンテンツマーケティングで用いるのは、テレビでタレントや女優さんを用いるのとある意味同じことだと思っています。
一時的な起爆剤として割り切って起用するのも良いのですが、まずはコンテンツのKGIとKPIを見直し、本当に必要なのかを精査した上で、効果的に企画にしていくのが良いでしょう。

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